<健康は皮膚から>

 子供が健やかに成長することは世の親の等しい願い。母親と子のスキンシップは、愛情の交歓だけでなく、子供の成長発育にとても大切な行為であることが分かってきました。
 生後間もない子ネズミを母親から隔離して育てる場合、成長発育に支障をきたします。優しく筆で撫でてやった子ネズミが正常に発育することが分かることから、優しい皮膚刺激は成長には不可欠なことなのです。小児はりは優しい皮膚への刺激でストレスを緩和し、心を落ち着けてくれます。
 さらに、皮膚への刺激は内臓の働きにも影響を及ぼします。これを体表−内臓反射といい、皮膚は内臓の機能を調節する治療の場でもあります。乾布摩擦として手ぬぐいで皮膚が赤くなるまで擦る健康法と、小児はりという皮膚が少しピンクになるまで擦る治療法とは道理にかなった未病を治す健康法といえるのではないでしょうか?

平成24年6月1日、医歯薬出版の「実践小児はり法」という本を、森ノ宮医療大学教授尾ア朋文先生にお声をかけていただき、日本の有名な先生、ドイツの有名な先生たちと協同で出しました。なれない執筆に苦戦しました。この優れた日本文化に畏敬を払い、諸先生方とともにさらなる発展を試みたいと思います。一般書店、医学書コーナーにあります。家庭で出来るスキンタッチ法も載っています。皆様に、お手にとっていただけると幸いです。

             久保 晴美